論文をhandleするとは

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以前このブログで医師が論文を書くことの重要性を記載したことがあります。それは自分たちのやっている治療が本当に正しいのか反芻するためです。これまでに治療した患者さんのデータをもう一度見直してしっかりと検討し、それをまとめて医学雑誌に論文として投稿します。投稿すればすぐ雑誌に載せてくれる訳ではなく、専門家の審査を経た後、修正を迫られたり、内容が不十分であれば掲載にならない場合もあります。

僕は専門家の立場から、よくこの雑誌の審査(レビューと言います)をお願いされることがあります。これも以前ブログに記載しましたが、レビューという作業も医学の進歩には欠かせないことです。全くのボランティアですが、僕はなるたけ頼まれたら引き受けるようにしています。このような活動を地道に続けていたおかげで、最近は雑誌社から「論文をhandleする」ことも任されるようになりました。「論文をhandleする」とは雑誌社に論文が投稿されたら、レビューしてくれそうな専門家を探してレビューを依頼し、その結果を受けて、論文を受理するか・修正をお願いするか・掲載できないことをお伝えするかということを決定することです。これはかなり重要な仕事で、論文に対する責任が発生します。僕はなるたけ論文を掲載できるよう修正を求めるタイプですが、専門家によってはバッサリ切り捨てる方もいらっしゃいます。通常2名以上の専門家の意見を合わせて判断するのですが、その2名の意見が全く異なる場合もあります。その落としどころを見つけなければならない場合もあります。

一番困るのが適切な専門家が見つからない場合です。Springer Nature社の雑誌の場合、専門家を見つける特別のソフトを使わせてもらえるのですが、論文の内容によってはなかなか2名の専門家が見つからない場合もあります。先日など50名近くにメールを送って、やっと一人という悲惨な状況でした。今回のブログで僕が言いたいことはここなのですが、何人かの日本人にも送りましたが、引き受けてくれませんでした。アジアでも韓国の専門家はすぐに引き受けてくれる方が多いです。ここに日本と海外の研究者の力量の差があると思います。日本から多くの脊椎外科の論文が生まれるだけでなく、レビュー等の活動にも積極的に参加して、医学界に貢献してもらえたらと思います。

Springer Nature社の専門家を見つけるソフト

キーワードなどから査読に適切な専門家を検索できます。

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古閑比佐志

資格・所属学会
日本脳神経外科学会 専門医
日本脊髄外科学会認定脊髄内視鏡下手術・技術認定医
日本脊髄外科学会
日本整形外科学会
内視鏡脊髄神経外科研究会
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