第12回日本低侵襲・内視鏡脊髄神経外科学会

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来年7月に、第12回日本低侵襲・内視鏡脊髄神経外科学会を主催することになりました。もともと脊椎内視鏡の好きな脳外科医の集まりの小さな研究会として始まった本会ですが、内視鏡に限らず広く低侵襲な脊椎脊髄手術を行う会として発展し、第11回から学会となりました。研究会から学会になることは、上場を目指していた企業がやっとそれを果たしたようなもので、社会的責任も大きくなります。

僕が主催する第12回では特に症例報告(一人一人の患者さんの情報を重要視した発表)を大切にした学会にしたいと思い、学会のテーマを「evidence based medicineからcase reportへの回帰」としました。

evidence based medicineとは、しっかりとした研究結果に基づいた医療の事ですが、その「しっかりとした研究」というのは「ランダム化比較試験」に代表されるような、多くの患者さんのデータをまとめたものです。「ランダム化比較試験」はその中でも最も信頼性が高いと考えられている研究スタイルで、患者さんに無作為に異なる治療方法を行い、その治療効果を統計的に比較するものです。お薬の評価であれば、これは素晴らしい方法ですが、外科的治療に関しては、これはなかなか難しい研究スタイルです。なぜかというと術者や施設によって手術の技量やテクニックが異なるからです。更に、例えば腰椎椎間板ヘルニアと言っても患者さんによって様々な条件が異なるからです。場所・大きさ・脱出している方向・神経根との位置関係など数えたらきりがないほど、患者さんごとに異なっています。

このように大きく異なる患者さんを集団と捉えて解析するのではなく、一人一人の患者さんの病態をしっかりと把握して、case report(症例報告)として議論していきたいというのが今回の僕の趣旨です。特に日本では一つの施設での症例には限りがあるので、各施設の先生方が治療に難渋した症例などを持ち寄って議論し、情報を共有できる会にしたいと考えています。

場所は東京ではなく福島県郡山です。東日本大震災の直後僕も数日ですが医療従事者としてお手伝いさせてもらった土地です。また文化講演として、福島県三春町の僧侶であり作家である玄侑宗久先生にお話ししてもらう予定です。学会までにコロナが落ち着いて海外からも参加者をお迎えできればと思っています。

第12回日本低侵襲・内視鏡脊髄神経外科学会

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古閑比佐志

資格・所属学会
日本脳神経外科学会 専門医
日本脊髄外科学会認定脊髄内視鏡下手術・技術認定医
日本脊髄外科学会
日本整形外科学会
内視鏡脊髄神経外科研究会
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